銅の熱伝導率の全て|性能・用途・選定ポイントを徹底解説

銅は金属材料の中でも非常に高い熱伝導率を誇り、電子部品やヒートシンク、建材、配管など幅広い用途で活用されます。本記事では、銅の熱伝導率の基礎から用途別の選定ポイント、加工・設計上の注意点、メンテナンス方法まで、失敗しないための情報を網羅的に解説します。
銅の熱伝導率とは
銅の熱伝導率は、金属材料の中でもトップクラスで、純度99%以上の電解銅では約400W/mKに達します。これはアルミニウム(約237W/mK)の約1.7倍、鉄(約80W/mK)の約5倍の値です。この高い熱伝導性により、熱を効率よく伝える必要がある電子部品や放熱装置で重宝されます。
熱伝導率は、物質内部の自由電子や格子振動によって熱が移動する能力を示します。公式としては以下のように表せます:
q = -k * ∇T
ここでqは熱流量、kは熱伝導率、∇Tは温度勾配です。この計算式は熱設計や材料選定の指標となります。銅の熱伝導率に関して解説で詳しく解説しています。
銅の種類と熱伝導率の差
銅には電解銅、リン脱酸銅(C1020)、酸素フリー高導電銅(OFHC銅)など複数の種類があります。純度や微量元素の含有によって熱伝導率が変化します。一般的には、純度が高いほど熱伝導率も高くなり、電子部品向けには99.9%以上の銅が推奨されます。
| 銅の種類 | 熱伝導率 (W/mK) | 用途例 |
|---|---|---|
| 電解銅 | 390〜400 | 配線材、ヒートシンク |
| リン脱酸銅 | 370〜390 | 配管、建材 |
| OFHC銅 | 398〜401 | 電子部品、真空装置 |
用途別の選定ポイント
電子部品・精密機器
電子機器や精密部品では、熱の蓄積を防ぎ、安定した動作を確保することが重要です。銅は高い熱伝導率に加え、導電性や加工性も高いため、プリント基板の放熱層、コネクタ、ヒートシンクなどに利用されます。微細加工では寸法安定性や熱膨張率も確認する必要があります。精密機器用途に関して解説で詳しく解説しています。
- 熱膨張率:16.5×10^-6 /°C(20〜100°C)
- 電気伝導率:100% IACS(International Annealed Copper Standard)
- 放熱設計:ヒートシンク厚さ、面積、フィン形状を熱流量に応じて選定
建材・配管材
建材や配管材では、耐久性と熱効率の両立が求められます。銅は耐食性が高く、熱伝導率の高さを活かして床暖房の配管、空調用配管、屋根材や外装材としても利用されます。長期使用では酸化防止のためメッキやコーティングが推奨されます。建材用途に関して解説で詳しく解説しています。
- 屋内配管:熱効率を考慮し、管径・厚みを設計
- 屋外建材:耐食性向上のため表面処理や合金調整を実施
- 水道配管:鉛含有量ゼロの飲料水適合材を選定
ヒートシンク・放熱部材
銅は熱伝導率の高さを最大限に活かすことで、ヒートシンクや放熱板の効率を向上させます。アルミに比べ熱伝導は優れるものの重量が増すため、設計上のバランスが重要です。複合材設計や表面処理を組み合わせることで、放熱効率とコストの両立が可能です。放熱部材の設計に関して解説で詳しく解説しています。
加工上の注意点
- 切削加工:柔らかく変形しやすいため工具の選定と切削条件が重要
- 曲げ加工:亀裂防止のため適切な曲げ半径を確保
- 溶接・はんだ付け:熱影響による変形や導電性の変化を確認
- 耐食性:湿度・薬品環境に応じた表面処理が必要
- 表面仕上げ:鏡面仕上げやコーティングで美観と性能を維持
銅の加工・設計上のポイントに関して解説で詳しく解説しています。
熱伝導率の計測方法と実務への応用
銅の熱伝導率は、標準試験法(JIS H 0601やASTM E1952)で測定されます。実務では、放熱設計、熱交換器の効率計算、電子部品の温度上昇予測などで活用されます。例えばヒートシンクの設計では、熱抵抗を求めることで必要な面積や厚みを算出します。
熱抵抗 R = ΔT / Q
ΔTは温度差、Qは熱流量です。銅の熱伝導率を用いることで、放熱部材の最適形状や材質選定が可能です。熱伝導率データの活用に関して解説で詳しく解説しています。
よくある質問
まとめ|銅の熱伝導率を活かした最適設計
銅は高い熱伝導率、導電性、加工性を兼ね備え、電子機器、建材、放熱部材など多用途に活用可能です。材質選定、加工、表面処理、設計条件を理解することで性能・耐久性・美観を最大化できます。具体的な活用シーンは、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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