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真鍮の工業用途と選定ポイント完全ガイド|特性・加工性・活用事例を徹底解説

真鍮は銅と亜鉛の合金で、強度・加工性・耐食性に優れ、幅広い工業用途で活躍しています。本記事では、真鍮の基本特性、合金種類別の特徴、工業用途での活用ポイント、加工性や熱処理の影響まで詳しく解説し、失敗しない材料選定の方法を紹介します。真鍮を正しく理解することで、部品性能の最大化とコスト最適化が可能です。

真鍮の基本特性と合金種類

真鍮は銅と亜鉛の割合によって性質が変化します。銅の含有量が高いほど耐食性や展延性が増し、亜鉛含有量が増えると硬度と強度が向上します。一般的に工業用に用いられる代表的な合金は以下の通りです。

合金名 銅含有率 硬さ(HB) 伸び(%) 主な特徴
C3604 60〜63% 80〜120 30〜40 切削性に優れ、精密部品向け
C2680 70%前後 90〜130 25〜35 耐食性が高く、配管や建築資材向け
C3771 65〜68% 100〜150 20〜30 強度が高く、機械部品・弁類に最適

工業用途別の真鍮活用ポイント

真鍮は多彩な工業用途で使用されます。以下の用途別に特性と設計ポイントを整理します。

1. 機械部品

  • ベアリングやギア、精密歯車などに使用
  • 切削加工性が高く、寸法精度の維持が容易
  • 摩耗試験で高耐久性が確認されており、長期運用に適する

2. 建築・配管資材

  • 水道管、蛇口、バルブなどの耐食性部品
  • 銅の含有量が高い合金は腐食に強く、長寿命設計に適する
  • 施工時の曲げ加工や接続も容易で、メンテナンスコストを削減可能

3. 電子・電気機器

  • 端子、コネクタ、スイッチなど高導電性が要求される部品
  • 接触抵抗が低く、熱・電流負荷に耐えやすい
  • 耐酸化性も高いため、長期間の安定動作が可能

真鍮の加工性と熱処理の影響

真鍮は加工性に優れていますが、加工方法によって特性が変化する場合があります。切削加工、プレス加工、曲げ加工それぞれの特性と注意点は以下の通りです。

  • 切削加工: C3604は特に切削性が良好で、精密部品に最適。刃物材質と切削速度に注意。
  • プレス加工: 応力集中により局所硬化が発生する場合があるため、加工厚みと金型形状を最適化。
  • 曲げ加工: 厚板や高亜鉛合金では亀裂が入りやすいため、曲げ半径を設計に反映。
  • 熱処理: 焼鈍(アニーリング)により延性が向上し、加工後の寸法安定性が改善される。

真鍮選定のポイントと注意点

工業用途に応じた最適な真鍮合金を選定する際は、以下の要素を総合的に判断します。

判断要素 具体例・注意点
加工性 C3604は精密切削部品向け。高硬度合金は加工性低下に注意
耐食性 建築・配管用途は銅含有量の高いC2680が適切
強度・耐摩耗性 機械部品やギアはC3771などの硬度の高い合金を選択
コスト 合金によって価格が異なるため、用途に応じた最適化が重要

真鍮の重量計算と設計例

部品設計では重量計算も重要です。簡単な計算例を示します。

例1: 真鍮ベアリング (C3604)
長さ 50mm、直径 20mm
体積 ≒ 15.7 cm³
比重 8.4 g/cm³ → 重量 ≒ 132 g

例2: 真鍮配管パイプ (C2680)
長さ 2 m、断面積 10 cm²
体積 ≒ 2000 cm³
比重 8.5 g/cm³ → 重量 ≒ 17 kg

重量や断面積の最適化により、コスト削減と強度確保が可能です。

よくある質問

真鍮の種類によってどのような特性の違いがありますか?
真鍮は銅と亜鉛の含有比によって性質が変わります。銅含有量が高い合金は耐食性や展延性に優れ、建築や配管に向きます。一方、亜鉛が多い合金は硬度と強度が高く、機械部品やギアに適しています。合金選定に関して解説で詳しく解説しています。
真鍮はどのような工業用途で活用されていますか?
真鍮は機械部品、建築・配管資材、電子・電気機器など多用途で使用されます。耐食性や加工性のバランスが良く、ベアリング、配管、端子類などで長期使用が可能です。用途別設計ポイントに関して解説で詳しく解説しています。
真鍮の加工方法による特性変化にはどのような注意点がありますか?
切削加工では刃物材質と速度に注意、プレス加工では応力集中による硬化に注意、曲げ加工では亀裂防止のため曲げ半径を設計に反映する必要があります。加工性や熱処理の影響に関して解説で詳しく解説しています。
真鍮部品の重量計算や設計で注意すべきポイントは何ですか?
部品の体積と比重から重量を算出し、断面や材質を最適化することが重要です。これによりコスト削減と性能確保が可能です。重量計算と設計例に関して解説で詳しく解説しています。

まとめ|真鍮の特性理解で最適設計を実現

真鍮の工業用途における活用では、合金選定・加工性・耐食性・強度のバランスが重要です。用途別の選定ポイント、加工・熱処理の影響、重量計算例を理解することで、部品性能の最大化とコスト削減が可能です。